【連載】比嘉教授のDND連載208回 EMによる農(一次産業)の本質の実現へ(2) | EM News
2024.11.5第208回 比嘉教授のDND連載208回 EMによる農(一次産業)の本質の実現へ(2)
https://dndi.jp/19-higa/higa_208.phpより転載
農の本質は前号でも述べたように、「安全で快適、低コストで高品質、善循環的持続可能な技術によって、人々の健康と環境を積極的に守り、自然生態系を多様化し、豊かにする」ことである。
改めて現在の農法を見ると、全くその逆の方向性を辿り、自己矛盾を拡大し、砂漠化や病害虫の多発や自然災害に対する脆弱化、食の質と安全性はもとより、構造的に環境を破壊し続ける仕組みになっている。
インドのシッキム州におけるEMを活用した全州有機農業化はもとより、FAOも積極的に推進しているEMに有機農業や自然農法は、これまでの農業問題を大幅に改善する力を持っているが、大規模農業への積極的な活用が残された課題である。
大規模農業におけるEMの活用は、その一端であるが、究極的な解決は、現今で既に100万haに達せんとするブラジルやパラグアイにおける大規模なEM農業を、大型機械を使用せず、化学肥料や農薬を全く使わない水準にし、世界中の大規模農業に広げることである。
その結果によって、EMによる原子の転換力が広く理解され、ケルブランの生体および自然界の原子の転換が正しいという証明となり、実験的レベルを越え、現実の問題解決の最良の手法として、一般化することが最重要課題である。
バナナ栽培における塩の肥料化
塩害対策に対するEMの効果は、1990年以降、中東や中国、米国等の広い範囲で確認され、塩がまるで肥料になったような現象が観察され、塩分が消失していることが明らかとなった。当時は、EMによる強い抗酸化作用による塩類の酸化機能の抑制という説明を行なっていた。2011年3月11日に起こった巨大な東日本大震災の津波による塩害対策と、同時に起こった福島の原子力発電所の事故による放射能汚染対策にEMが使われたのである。
現場では、塩類障害や放射能の被害が著しく低下しても、専門家は過去の理論を根拠にすべて否定的で、国によるその再確認の実験の予定を農水省の技術会議は葬り去り、EMをエセ科学扱いにしたのである。その結果、EMバッシングはますます苛烈になり、数回にわたる国会答弁でも、EMには科学的根拠がないということになったのである。
当方に残された道は、科学的な証明を不動のものとし、この原理を実用化し、広く一般に普及することで決着する以外に選択肢は無く、全く不可能と考えられていたのである。
放射能汚染問題は、前号で述べたように、ベラルーシの国立放射線生物学研究所との共同研究で決着が尽き、塩分対策は本誌でも明らかなように、仙台の鈴木有機農園での本格的な規模での実験で証明されたのである。この成果は、EMバッシングをしてきた科学者やマスコミにとっては不都合な真実となり、反対はしないが、報道もせず、無視し続けている現状である。
この科学史上の壮挙の成果を社会化することは容易ではないが、福島では、EMを活用した有機農業が着実に発展しており、EM農家で塩を使い、除草や肥料化や病害虫対策に徐々に活用されるようになってきた。
2011年以来、私の実験圃場である青空宮殿でバナナや野菜等への塩の活用は、着々と進められてきたが、普及は遅々たるものであった。しかし、その後に起こったコロナ禍のため時間に余裕ができ、一般化できるレベルに取り組むことになったのである。
バナナは世界で最も多く生産されている果物であるが、バナナに使用される化学肥料や農薬は膨大なもので、同時に、バナナアレルギー等々の問題も引き起こしている。バナナは、長期栽培すると、センチュウやバナナゾウムシ、シガトカ病等によって収量が激減するため、前号で述べた土壌消毒はもとより、下葉や収穫残渣の処理にも多くのコストが掛かっている。
この塩の活用は、国際紛争による肥料の値上がりに対し、農家自身で解決可能な手法である。EMを併用し、塩を肥料化することは誰にでも簡単に出来ることであり、地球は塩の海に浮いているようなものである。
青空宮殿のバナナは、エチレンガス処理不要な、タイのナムワ系バナナを中心に5~6種類のテストも行っているが、畑のEM化を進めると同時に、塩の量を増やし、10a当たり200~250Kgまで施用し、満足すべき成果が上がっている。それらの成果を踏まえ、更に塩とEMの量を増やし、バイオ炭を加えることによって究極のテラプレタ化を進めている。
それらの結果は、バナナ栽培を完全無農薬で半永久的な連続栽培化を可能にしたのである。下葉や収穫残渣は畑に戻し、EMによる自然の堆肥化と同時に、多様な原子の転換が促進されるため、塩以外の他の肥料は全く不要となる。
塩は除草的効果もあり、施肥と除草剤を兼ねることも可能である。EMの存在で、塩から全く害のないレベルの遊離塩素が発生するため、塩入のEM活性液の葉面散布は農薬以上の効果が得られるようになる。
塩の肥料効果は、当初は20~30日で明確になるが、EMが安定化し、原子転換能力が高まると、7~10日で現れるようになる。成長の劣っている株には、少量の塩を連続的に施用すると、更に効果的である。
EMの量子力学的性質(半導体、超伝導、トンネル効果等)を活用し、圃場のまわりにエネルギーを集約する、量子結界を作れば葉面散布も不要となり、そのバナナ畑の存在が空気や地下水を浄化し、表土の流出を防ぎ、地下水を豊かにし、自然生態系を積極的に守る姿に変わるのである。当然のことながら、鳥獣対策も完璧となる。
バナナは抗酸化力や栄養学的見地からすると、健康にとって最も望ましい果物であり、皮にも多様な酵素が含まれている。無農薬であれば、その皮はピューレ等々に加工すれば最良の健康食品になり、EM処理による発酵を強化すれば万能性を持つようになる。また、家畜の飼料添加材等々に応用すれば、より付加価値の高い活用も可能となる。
この技術はすべての果樹に応用が可能であり、パームオイルやゴムの分野に広げれば、自然生態系の保護と人間の健康にとって、安全で快適、低コストで高品質で善循環的持続可能な理想的な農業が現実的なものとなる。誰にでも簡単に直ぐに実行することが可能である。
青空宮殿のバナナ園入口 | 屋上から見た全景 |
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かなり密植となっているがノーマルに結実する 通常年2回の株更新が年3回となる例もあり超多収となる |
株の勢いが強いので完熟するようになる(袋掛け不要) |
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収穫した果実(EMショップで大好評) |
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塩の使い方
1,3%の塩入EM活性液を10a当たり50~100Lを年に4回散布し、土壌をEM化する。
2,当初は、10a当たり200~300Kgの塩を年5~6回に分けて施用する。
3,生育の悪い株や収穫した株の跡に、300~500gの塩を散布。
4,塩の量は、株数によって年間10a当たり500Kg以上にすることも可能である(超多収)。
※その他の記事はリンク先よりご覧ください。
大学発ベンチャー起業支援サイトDND(デジタルニューディール)甦れ!食と健康と地球環境
https://dndi.jp/19-higa/higa_Top.php
関連:第207回 EMによる農(一次産業)の本質の実現へ(1)
https://dndi.jp/19-higa/higa_207.php