名桜⼤学付属国際EM技術研究所所⻑。琉球⼤学名誉教授。アジ ア・太平洋⾃然農業ネットワーク会⻑、(公益財団法⼈)⾃然農法国際研究開 発センター評議員、NPO法⼈ 地球環境・共⽣ネットワーク会⻑、農林⽔産 省・国⼟交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員⻑。
「いま世界は大変革の時期を迎えています。なぜこのような事態を招いたのか。私はいまの人間の文明が競争原理のもとにおかれ、構造化したためだと思っています。過剰な競争原理にあおられると、寛大さや共有しようとする気持ちにはなりません。」(比嘉照夫、1993)
EMの開発秘話
EMは比嘉照夫琉球大名誉教授によって1982年に開発され、以来現在にいたるまで、世界中で多くの国で活用されてきました。
比嘉照夫名誉教授がEMの着想を得たのは1968年頃。当時、九州大学でミカンの研究に携わり、ホルモン、微量要素、有機肥料、微生物など、ミカンの品質に良いと思われるあらゆる資材を研究し、その過程で、微生物の可能性というものを強く認識するようになります。
微生物の活用にも興味を持つ一方、子供の頃から農業に携わり、農業は手間がかかり重労働だということを知っていた比嘉教授は、同時に化学肥料や農薬も使用していました。それが体調の悪化をきっかけに化学物質に頼りすぎる農業のあり方を考え直し、サイドワークだった微生物の農業への有効利用に本腰を入れるようになります。
比嘉教授が研究で扱っていた微生物は人間が口に入れても差し支えないようなものばかりだったので、日々の終わりに同じバケツに入れて始末していたところ、偶然の発見に出会います。バケツの中身を付近の草むらにまいてみたところ、一週間後にその草むらだけが異常に成長していたのです。そのときに、「微生物の組み合わせ」という発想が生まれ、多くのトライ・アンド・エラーを重ねながら、「このグループなら、作物がよく育ち、病気にもならない。収量も増えるし、味もよくなる」という微生物の複合体、EMが誕生したのです。