福島県伊達市霊山町の「大石3ちゃん倶楽部」は、高齢者を中心とした農業コミュニティ。EM技術を活用し、安全で美味しい野菜づくりに取り組んでいます。2025年の「身体に美味しい農産物コンテスト」では複数の受賞を果たし、その高い栄養価と品質が評価されました。持続可能な農業を目指す彼らの挑戦をご紹介します。
福島県伊達市霊山町大石地区では、地域の未来を支える「農村RMO推進協議会 チームさすけネットりょうぜん」が活動しています。農村RMO(Rural Management Organization)とは、農林水産省が支援する地域運営組織で、住民主体で農業振興や地域活性化を推進するものです。
この協議会には、地域の発展を願うさまざまな有志団体が連携しており、その一つである「大石3ちゃん倶楽部」は、農用地保全の中心的な役割を担っています。
「高齢者である自分たちが、もうしばらくは無理をせず元気で野菜を売って、2割増しで心も体も若返りましょう」という思いから、2014年に設立された農業コミュニティです。大石地区の“じいちゃん”“ばあちゃん”“かあちゃん”の3ちゃんが集まり、それぞれの畑で野菜を少量多品目栽培し、地元の産直コーナーやマルシェ等で販売しています。
大石3ちゃん倶楽部では、安全で美味しい野菜を育てるために、EM活性液やEMボカシ肥料を活用し、特に土づくりを大切にしています。毎月開催される「土づくり講習会」では、仲間の農家にEM活性液を配布し、地域全体で農業の質を向上させる取り組みを続けています。2024年には、長年使われていなかった30アールの畑を再活用し、「大石8ちゃんファーム」を開設。農業体験を通じて、多世代が交流し、楽しめる場を提供しています。
大石3ちゃん倶楽部は一般社団法人 日本有機農業普及協会 主催の第14回オーガニック・エコフェスタ、「身体に美味しい農産物コンテスト2025」に初出場。EM栽培の野菜13品目を出品し、栄養価を評価する厳正な審査の結果、コマツナとブロッコリー部門で最優秀賞、ホウレンソウ部門で優秀賞を受賞しました。
このコンテストでは、農産物の「糖度」「抗酸化力」「ビタミンC」「硝酸イオン」を分析し、その栄養価をもとに審査が行われます。
ブロッコリー部門で最優秀賞、ホウレンソウ部門で優秀賞を受賞した高野様
コマツナ部門で最優秀賞を受賞した安藤様
●栽培の特徴
・栽培期間中は無農薬・無化学肥料で栽培
・夏に繁殖した雑草を刈り倒し暫く放置し、枯れた雑草を鋤き込まずに種を播種して不耕起で栽培。
・追肥としてコスモグリーン(EM発酵肥料)を施用。
・EM活性液、木酢液、ストチュウの希釈液の葉面散布。
●コンテスト結果
・抗酸化力 2.8倍、糖度 1.7倍
・硝酸イオンは平均値の約1割と低い数字
・パリッとした食感と甘み、ピリッとした辛みがアクセントで味わい豊かで美味しい
●栽培の特徴
・栽培期間中は無農薬・無化学肥料で栽培。
・雑草を刈り倒し枯れた後に、雑草をマルチ代わりに不耕起にて苗を定植。
・基肥は施用せず、追肥としてコスモグリーン(EM発酵肥料)あるいは自家製EMボカシ肥を施用、EMを葉面散布。
●コンテスト結果
・抗酸化力 5.2倍(平均値比)
・糖度 1.3倍、ビタミンC 1.2倍
・やわらかい食感と甘み・旨味が特徴
●栽培の特徴
・栽培期間中は無農薬・無化学肥料で栽培。
・夏に繁茂した雑草(アカザ、シロザ、アオビユなど)を刈り倒したあと畑に鋤き込む。
・有機物の残渣を十分に分解させるために2回程度耕耘した後にホウレンソウの種を播種。
●コンテスト結果
・抗酸化力 2.3倍、糖度 1.6倍、ビタミンC 1.6倍
・硝酸イオン 約4割低減
・しっかりした甘みと余韻の残る旨味のある味わい
2024年7月より、化学肥料・農薬を使用せず、EM技術を活用したこだわりの農産物には「EM栽培シール」が貼付されるようになりました。現在、8名の生産者がこの認証を受け、安心・安全な野菜の提供を進めています。
「チームさすけネットりょうぜん」はYouTubeチャンネルも開設し、活動の様子を発信しています。是非、チャンネル登録よろしくお願いいたします。大石3ちゃん倶楽部の挑戦はこれからも続きます。持続可能な農業と地域の未来を支える取り組みに、今後も注目です!
参考文献「大石3ちゃん倶楽部|農用地保全における実践報告Ⅴ」より
2025年3月24日 更新