EM CASE STUDY - 事例集

コスタリカにおけるコミュニティ主導のEM活動による河川再生

コスタリカでは地域主導のEM技術の取り組みによって河川浄化を進めています。この取り組みは持続可能な水資源管理における重要な一歩となっています。

概要

コスタリカ河川流域ナショナル同盟(The National Alliance of Rivers and Watersheds)は、市民水域監視委員会(OCAs)を通じて、地域住民の積極的な参加と協力によって推進される、EM技術を活用した河川環境改善のための活動を先導してきました。これらの観測所は、EM技術を用いてコスタリカの水資源を保全・再生することに専念する地域主導のグループです。私たちのパートナーであるBIONOVATIONは、コスタリカ全土で水質浄化活動を拡大するために彼らと協力しています。このレポートでは、2024 年に達成された成果を取り上げています。

 

課題

  • 未処理の排水による深刻な汚染。
  • 農業からの有毒な化学物質の流出(クロロタロニル)が湧水から検出され、生態系と人間の健康を脅かしている。
  • 有機廃棄物の分解による悪臭の発生と、未処理の下水が河川に直接排出されることによる水質および水生生物への悪影響。

 

EMの活用と教育

  • EM団子フェスティバル: 複数の市民水域監視委員会(OCAs)が地域イベントを開催し、数千個のEM団子が作られ、河川に投入されました。これらの活動は、全国の河川周辺における汚染の削減、水質改善、水生生態系の活性化を目的としています。特に、リオ・ベベデロ、リオ・サンペドロ、リオ・アグアカリエンテでのイベントは、いずれも地域住民の積極的な参加を得て、大きな成功を収めました。
  • 環境教育: 子どもから大人までを対象に、生物多様性、水生生物の観察、河川の健康状態評価に関するワークショップが実施され、環境意識の向上を促進しました。
  • 植樹活動: 地元の学校、自治体、民間団体との協力により、数千本もの在来樹木が植えられ、河岸の保全と生息地の再生に貢献しました。

効果と結果

水質と水生生物への影響:

  • 河川の生物多様性と汚染の関係を分析するため、生物学者たちは子どもたちと共に河川生物を採取し、EM団子ワークショップ中に汚染レベルを評価します。さらに、河川汚染と鳥類の分布の関係に関する研究も行われています。
  • 下水や家庭からの排水が未だに河川に直接投棄されているため、EMチームは環境教育を推進し、汚染源での汚染削減に関する意識を高めるためのワークショップを積極的に実施しています。
  • EM団子は、コスタリカの公共部門および民間部門で採用されている効果的な生物浄化技術として、広く受け入れられています。
  • 2022年のサポテ川の予備的な結果を見るには、下の画像をクリックしてください。

サポテ川表の注釈

細菌学的パラメーター、溶存固形物、亜硝酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの値は、サンプリング時に川が受ける排水の特定条件によって変動する可能性があります。これは、上流から川に排水が流れ込んでいるためです。上記の結果に加えて、このプロジェクトは進行中であるため、さらなるモニタリングと追加の分析が必要です。

社会的影響

2024年のEM団子フェスティバル開催地図

  • 2024年には全国で124を超える市民水域監視委員会(OCAs)(組織コミュニティ連合)がワークショップ、フェスティバル、教育キャンペーンなどの取り組みに積極的に参加し、合計1,600人の参加者が22,000個のEM団子を作製。これらはコスタリカ全土の35の河川に投入されました。これはコスタリカの水資源保全の歴史における重要な節目となりました。
  • これらの取り組みによりコミュニティの絆が強化され、環境保全意識が高まり、市民が水資源保全に積極的な役割を担うようになりました。世界水の日のイベント、環境フェスティバル、清掃キャンペーンなどのイベントを通じて、この連合は持続可能な水資源管理のモデルとしての役割を確立しました。
  • ホルシム・コスタリカなどの著名企業や地元の学校との協力により、これらのプロジェクトの成功が拡大しました。

地域の方々と学校の子どもたちの交流を促進している

イベント動画
※スペイン語

2025年1月17日 更新

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ゲンキ・アラワイ・プロジェクト

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