EM CASE STUDY - 事例集

持続可能なEM循環型酪農

ペルー・ウアラル県にあるこの農場では、トウモロコシや綿を育てながら、酪農と組み合わせた理想的な循環型の持続可能な仕組みを実現しています。ぜひご覧ください!

農場の概要

T.A. SAYURI E.I.R.L.農場では、約200ヘクタールの敷地を酪農に活用しており、サイレージ用として、トウモロコシを約102ヘクタール、綿花を約5ヘクタールで栽培しています。 

乳量:1日あたり約8,400リットル 
飼料用トウモロコシの収穫量:1ヘクタールあたり約9トン
飼育頭数:乳牛 約600頭 
スタッフ数:常勤スタッフ25名に加え、収穫期には臨時スタッフが加わります。

課題

EM技術を導入する前は、サイレージ用の原料や追加の肥料を購入するために多額のコストがかかっていました。また、乳牛の乳房炎の罹患率は約10%と高く、健康管理にも課題がありました。さらに、サイレージを一度に大量に生産できなかったため、飼料が不足することもありました。

EMの活用

<写真1>
BIOL(自家製EM液肥)

この農場では、2012年からEM技術を導入し、現在(2017年時点)まで5年間継続して活用しています。使用している主な資材は、EM活性液、そしてBIOL(自家製EM液肥)です。

使用方法

酪農における活用方法

乳牛の飼育エリア全体に、EM活性液を週に一度散布しています。これにより、牛舎内の衛生環境や臭気の軽減、動物の健康維持に役立っています。

サイレージ作りにもEM活性液を活用しています。自社農地で収穫したトウモロコシをサイレージピットに投入し、その上からEM活性液を散布。その後、ビニールシートで密閉して発酵させ、良質な飼料を安定的に確保しています。

トウモロコシ・綿の栽培への活用

・BIOLを自家製造して使用しています(写真①)。これは、家畜の液体ふん尿にEM活性液を加えて発酵させた液体肥料で、トウモロコシと綿花の圃場に灌水を通じて施用しています。
・また、EM活性液であらかじめ処理したふん尿を原料に、ミミズ堆肥(バーミコンポスト)を作り、栽培地に施用しています(写真②)。
・飼料用のトウモロコシも、袋詰めの前にEM活性液を散布してから保管しています(写真③)。

<写真2>
EMで処理した堆肥を用いたミミズ堆肥(バーミコンポスト)も、トウモロコシ栽培に活用されています

<写真3>
トウモロコシから作られた飼料にも、破砕工程の際にEM活性液が散布されています。

効果と結果

飼料用トウモロコシの生産量は、周辺の慣行農場と同程度に増加しています

1,EM活性液をサイレージに加えることで、穀物が柔らかくなり消化しやすくなるため、牛乳の脂肪分が年間を通じて安定しています。
※牛乳の市場価格は脂肪分によって決まるため、品質の安定は収益面でも重要です。

2,飼料作物の栽培には化学資材を一切使用しておらず、使用しているのはEM活性液で処理した牛ふんとBIOLのみです。

3,NPK(三要素肥料:窒素・リン・カリ)を追加で施す必要がなくなりました。

4,トウモロコシの収量は1ヘクタールあたり8トンで、化学肥料を使用している他の農場と同等の水準を維持しています。

5,乳牛の乳房炎の罹患率は、10年間で10%から3%にまで減少しました。※一部で抗生物質を使用する必要はありますが、大きな改善が見られています。

6,化学肥料を使用している他の農場と比較して、1ヘクタールあたり約100米ドルのコスト削減が実現しています。

オーナーからのコメント

T.A. SAYURI E.I.R.L.農場のオーナーおよびスタッフ、BIOEM SACならびにEMROのスタッフ

「EM技術のおかげで、私たちは牛ふんを100%リサイクルし、自家製飼料を生産することができるようになりました。その結果、農場内で資源を循環させる持続可能な仕組みが整いました。

 

2018年1月11日 更新