EM CASE STUDY - 事例集

台風被災地でのEM技術を活用した復旧支援

2013年11月8日、猛烈な台風がフィリピン中部のレイテ州を直撃し、およそ1万人が命を落とす災害となりました。現地では、EMボランティアが遺体の捜索チームと連携し、悪臭や衛生環境の改善に取り組みました。

フィリピンを襲った猛烈な台風

2013年11月8日、台風ハイエンがフィリピン中部のレイテ州を襲い、約1万人が死亡、約10万人が避難所での生活を余儀なくされました。ハイエンは、これまでに上陸した台風の中でも最強クラスとされており、沿岸部の町は壊滅的な被害を受けました。

4か月が経過してもなお、多くの被災者は打ちひしがれ、希望を見出せない状況が続いていました。

EMボランティアが立ち上がる

捜索チーム

当社のフィリピン現地パートナーであるEMリサーチ・フィリピン社は、現地の販売代理店と共に被災地支援に立ち上がり、EM製品を無償で提供しました。提供されたEM・1は約15トンにのぼり、現地でEM活性液に培養されたあと、被災地全体への散布に使用されました。特に、遺体が仮埋葬された60か所の仮設埋立地では、悪臭対策としてEM活性液が散布されました。また、EM活性液は、住宅のがれきや道路、地域全体にも散布され、環境衛生の改善に役立てられました。

ドイツ出身でEMユーザーでもある遺体捜索チームのベン・クレップ氏の尽力と、Society of Divine Word(SDW)財団の協力により、EM資材とボランティアがレイテ州に届けられることとなりました。

救援活動の拠点はケソン市コモンウェルス地区にあるサント・ニーニョ教区に設けられ、ここからEM・1や糖蜜、背負式噴霧器、ドラム缶、遺体収納用バッグなどの支援物資が寄付により集められ、被災地へ送られました。

約100名規模の救助隊と緊急医療チームが1か月間にわたり現地で活動し、支援にあたりました。

クレップ氏は直ちにEM活性液の準備を開始し、周囲に散乱した遺体の悪臭を抑えるのに最も効果的な希釈率を決定し、救助隊と連携して活動を開始しました。救急隊のボランティアは遺体の搬送を積極的に手伝い、救急隊が活動するあらゆる場所にEM活性液が散布されました。

会議中の捜索チーム

希釈EM活性液を作成

救援物資およびEM製品の発送

サンホアキン地区では、テントが仮設の公民館として使われ、主に死亡証明書の発行業務が行われていました。

町にはまだ電気が通っていませんでしたが、クレップ氏が自前のソーラーパネルを設置し、ノートパソコンやプリンターの電源として使用しました。

遺体の捜索チームは、ピックアップトラックで遺体を集団埋葬地へ運搬していました。
現場へ向かうには川を渡る必要があり、満潮時には水が引くのを待ってから戻るなど、潮の動きに合わせて作業を行う必要がありました。

ピックアップトラックを使って集団墓地に遺体を運ぶ

川を渡って集団墓地に遺体を運ぶ

テントがサンホアキン地区の公民館として使用され、死亡証明書の発行が行われました

腐敗した遺体にEMを散布した後、墓地でミサを執り行っていた神父たちが「悪臭が軽減された」と感じたとの報告が寄せられました。

教会近くの集団墓地

2017年2月1日 更新