EM CASE STUDY - 事例集

再生型農業による輸出品質のブドウ生産

アグリコラ・セレンゲティ社(Agrícola SERENGUETI S.A.C.)は、EMの継続的な活用により、36ヘクタールのブドウ栽培において高い収量と高品質な生産を実現しています。

概要

ペルーのピスコ地方にあるアグリコラ・セレンゲティ社(Agrícola SERENGUETI S.A.C.)は、再生型農業への戦略的な転換により、生産体制を大きく変更しました。

36ヘクタールのブドウ畑(オータム・クリスプ※品種)にEM技術を導入することで、従来の農業資材に頼る栽培から脱却し、生産性が高く安定した事業体制を構築することができました。

4年間にわたる継続的な活用の結果、土壌の生物学的な回復が、厳しい輸出市場で求められる果実の硬さ大きさを満たす高品質な果実の生産に不可欠であることが実証されました。

課題

ペルーの沿岸砂漠地帯におけるブドウ栽培は、環境面や生物的な側面で大きな課題に直面しています。

  • 土壌の健全性と連作障害: 十分な土壌回復なしに連作障害を引き起こし収量低下を招く。
  • 病害虫問題: 線虫や、ウドンコ病(オイジウム)・べと病などの真菌性病害への脆弱性。
  • 薬剤耐性の問題: 化学系殺菌剤の過剰使用による薬剤耐性の発生。
  • 廃棄物管理:剪定・摘果残渣の従来の廃棄方法は非効率で、土壌への栄養分還元が十分に行われていなかった。
  • 市場の需要:大粒で硬い果実という安定した「輸出品質」へのニーズ

EMの活用

EM技術を中心に、生育期間を通して活用することで、安定した生産が実現しました。

  • シーズン初期の処理:シーズンごとに 20L/haのEM・1を継続的に施用。 
  • 土壌・灌漑管理:EM・1を灌漑システムを通じて散布し、土壌の生物的・物理的・化学的肥沃度を回復。健全で密度の高い根系の発達を促進します。 
  • 圃場内堆肥化(EMマルチ):剪定・摘葉・芽かきの残渣を圃場にマルチとして残し、EM・1を散布して分解を促進します。ミミズなどの土壌生物の餌となります。
  • 葉面散布: EM・1の定期的な葉面散布により、生物学的な防御機能と生育促進効果が働き、環境ストレスや病原菌から保護します。

効果と結果

  • 高い収穫量と品質:農園は4万kg/haという高い収量を達成しました。果実は硬度に優れ、見た目も美しく、果粒径は安定して32mm以上に達しています。また、生態系が豊かな土壌が病害虫に対する植物の抵抗力を高めています。
  • 化学系殺菌剤・殺線虫剤からの脱却:線虫の発生しやすい環境にもかかわらず、土壌の微生物バランスの回復により合成殺線虫剤が不要となり、コストの削減と環境への化学的負荷が大幅に低減されました。さらに、ウドンコ病やべと病の抑制にも効果を発揮しています。
  • 植物の健全性と耐性の向上: 生態系の豊かな土壌が病害虫に対する植物の抵抗力を高め、より安定した生産と健全な樹木の成長に繋がっています。
  • 根系構造の改善: 細根(吸収根毛)が顕著に増加しました。これらの根は、土壌病害虫によるダメージを受けることなく、健全で活発な状態を保っています。
  • 窒素固定と土壌肥沃度: EM・1は生物学的窒素固定に貢献し、土壌中の窒素利用性を高め、健全な樹体の発育を支えています。
  • コスト効率とストレス軽減: EM・1の使用により、肥料および殺菌剤へのコストが削減されました。農薬とは異なり、EM・1は植物毒性を引き起こさず、むしろ植物の環境ストレス緩和を助け、殺菌剤耐性の発生リスクを防ぎます。
  • 循環型養分管理: かつては「廃棄物」として扱われていた剪定残渣を畝内で直接腐植に変換することで、自律的で持続的な肥沃サイクルを構築し、高収量が続いた後も土壌の疲弊を防いでいます。

2026年3月9日 更新