EM CASE STUDY - 事例集

家庭ごみを有機肥料へ

観光客の増加に伴い、バリ島では廃棄物問題が深刻化しています。これに対処するため、地元政府は2021年8月、地域住民と連携した「3R(リユース・リデュース・リサイクル)システム」を導入しました。

このプロジェクトの中心となる「TPS 3Rステーション」では、家庭ごみを分別収集し、EM技術を活用して有機肥料へ変換。廃棄物削減だけでなく、持続可能な農業を推進することで、バリの自然環境保護と経済活性化を両立させています。

概要

インドネシア・バリ島では、観光業の成長に伴い廃棄物問題が深刻化しています。この問題に対処するため、地元政府は3R(リユース・リデュース・リサイクル)システムを導入し、住民が廃棄物の分別と環境負荷削減に参加する仕組みを整えました。家庭ごみは「TPS 3R」と呼ばれる廃棄物処理施設でEM技術を用いて有機肥料に再生されます。このシステムは2021年8月に開始されました。

課題

不適切なごみ処理は観光業に悪影響を与え、ひいてはバリ島の経済を損なう要因となります。

EMの活用

家庭から出るごみは、生ごみなどの有機ごみとビニールやプラスチックなどのその他のごみに分けられます。

それぞれの家庭で分別されたごみのうち、有機ごみの一部がTPS 3Rという施設に運ばれ、そこで堆肥として再利用されます。

堆肥化の工程は以下の通りです:

  1. 粉砕とEM処理
    生ごみを粉砕した後、発酵を促す為に「EM4」を噴霧します。
  2. 好気性発酵
    処理された生ごみを大きな山に積み上げ、発酵させます。
  3. 温度・湿度管理
    ・温度60℃以下/湿度60%以下になった場合、切り返しと散水を実施
    ・約28日間かけて安定化(温度30-40℃/湿度25-30%を維持)
  4. 製品化
    完成した堆肥は「園芸用ボカシ有機肥料」として袋詰めされ、販売されます。

結果と効果

  • 土壌と植物の肥沃度を高める有機肥料の生産
  • 環境汚染の軽減と清潔な環境の維持
  • EM技術により発酵を促進し、不快な臭いを抑制
  • ボカシ有機肥料は手頃な価格で農家にも使いやすい
  • 「Pak Oles EM Green School」で、学生や地域住民がボカシ有機肥料の作り方を学べる
  • EM技術を活用した廃棄物管理は、廃棄物問題の解決に加え、自然環境の保護と清潔な環境の維持にも貢献

Pak Oles EM Green Schoolでは、人々がボカシ肥料の作り方と使い方を学びます。

*EM4:EM・1はインドネシアでのみEM4として登録されています。

2024年7月24日 更新

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