EM CASE STUDY - 事例集

韓国で拡がるEM技術

韓国におけるEM活用事例を5つご紹介します。 韓国のパートナー企業であるエバーミラクルは、EM技術を全国の農家や自治体、市民の方々へ広く普及させてきました。

エバーミラクル社が製造・販売するEM(有用微生物群 ※通称 EM菌)は、直接または全国の販売代理店を通して韓国国内の農業技術センターや畜産協同組合、農家、行政、家庭(市民)に届けられ、広く活用されています。今回は、エバーミラクル社と共にEM活用現場の成果を支える研究者と、異なる五つの現場をご紹介します。

87万人の大都市で 住民にEMを無料配布

富川市(プチョン)は、仁川(インチョン)空港のある仁川広域市とソウル特別市に挟まれ、人口密度がソウル特別市に次ぐ全国2番目の都市です。面積53㎢、人口87万人。日本で言うと、東京都世田谷区(面積約58㎢、人口約90万人)に匹敵します。87万人が暮らすこの街で、EMが市民に無料配布されています。

富川市は、36の「洞(ドン)」という行政区域に分かれています。2016年7月に行政体制を再編し、三つの区役所を廃止。36洞の人口と規模を考慮して、新たに10ヶ所の行政福祉センターを発足しました。この行政福祉センターを拠点として、住民にEMが配布されています。EMの配布が始まったのは7、8年前。行政再編などがあってEMの配布も立ち消えになるかと思われた時、市民の中から続けて欲しいという声が上がり、新体制になっても継続しているのだそう。富川市がEMを年間で約500~600トン培養し、各行政福祉センターにタンクローリー車で供給しています。市民が1ヶ月あたり40~50トンのEMを使っている計算になります。

冬の気温が氷点下になる韓国。700リットルくらいの屋外に設置されているEM配布用タンクには、きちんと保温機能が付いていて、通年で一定の品質のEMが配布できます。

また、大量にEMを使いたい市民は、富川市のセントラルパークにあるEM培養室に直接取りに行くこともできます。EMの家庭での使い方や効果を紹介する資料も市民に配布され、市民がEMを続けやすい環境づくりがされています。

家庭でのEM使用法を説明するポスター

行政福祉センターの外に設置されたEMタンク

東豆川市では マンションに EM菌の培養タンクを設置

ソウル特別市の北にある東豆川市(トンドゥチョン)では世帯数の多い高層マンションの敷地にEM培養タンクを設置し、マンション住民に無料配布しています。また、市によるEMの使い方講習会も開催されています。EMを家庭で利用することは、下水道の汚水の浄化能力アップと悪臭防止に大いに貢献しています。

根が立派に!高級特産品 高麗人参の価値が向上

錦山(クムサン)郡 農業技術センター

韓国では一番有名な高麗人参の産地として知られる錦山。栽培に適した気候と土質であることから、約1500年前、百済の時代からこの地で高麗人参が作られています。毎年9月~10月頃には錦山高麗人参祭りが開かれ、外国人も含めた多くの観光客が訪れます。神秘の霊薬と言われる高麗人参の栽培はかなり特殊で、栽培前にまず畑の土作りに2~3年間を要し、種を撒いてから収穫までになんと5年もかかります。

 

錦山の多くの高麗人参農家が、土作りからEM活性液を使用しています。EMを使うことで、人参の根の大きさや根張りが良くなって商品価値が高まるのみならず、作物の病気が減って収穫量も増えるということで、農家にとっては良いことずくめです。

 

錦山郡の農業技術センターは、国内で最も早く約10年前にEMの培養施設を作り、地域の農家に安価で提供を始めました。錦山郡には約1万軒の農家がいて、EM開発者の比嘉教授を招いて農業技術センターが開催したEM農業利用の講演会には約1000人が参加しました。EMを栽培に活用するかどうかは農家が選択しますが、病害が出にくいというEMの評判を聞いて使い始める農家が少しずつ増えてきました。現在では、培養用と貯蔵用タンクを合わせて全部で9基(19トン分)を備えていて、年間で650トン~800トンのEM活性液を供給しています。また、農業技術センターで購入せず自分でEMを培養している農家もいます。

 

国民の健康を支えるのは、その国の健全な土壌とも言えます。韓国では、EM以外にも多くの微生物資材があり、以前から使われてきました。今後さらに健康志向の流れができれば、微生物資材の使用規模を拡大するだけで、国の土壌全体の蘇生が可能になる素地が整っています。

園芸学の博士号を持つキム氏は、10年以上にわたってEMの普及活動を行ってきました。
当初は、過剰な施肥により塩害を受けた土壌での作物栽培を改善するために、EM技術の導入を始めました。現在では、多くの農家に対してEM栽培に関する技術指導を行っています。

有用微生物群・液体肥料センター

悪臭対策で ウナギの味と食感も向上

高敞郡は韓国の西海岸の町。遠浅の海が広がり、アサリやワカメなどの養殖が盛んです。中でも有名なのは長魚(チャンオ)。韓国では、ウナギ、アナゴ、ハモをまとめて長魚と呼びます。

 

ウナギの養殖会社の社長ユン・ ヨンシクさんは、10年間ウナギの養殖にEMを活用しています。以前は、ウナギの水槽は糞尿のアンモニア臭が作業服に染み付くほどひどかったのだそう。そこで友人に勧められたEMを悪臭対策のために、糞尿をろ過して集める水槽に入れ始めました。その効果は抜群で、養殖場はほとんど悪臭がしなくなりました。

 

また稚魚が病気にならないので経営の安定にも繋がっています。季節によって出荷量は変動しますが、年間25万匹を養殖し、50~60トンの収穫量になります。最盛期には、水槽面積は3300平米で、1ヶ月にEMを2トン消費します。ウナギの出荷先は、主にソウルやその近郊のキョンギド京畿道のレストランや専門店。食感が良く、美味しいと評価されていて、EMを使う前と比較して、今の方がお店の評判が良いと感じています。

 

ユンさんは以前、高敞郡の議員を務めていた時に、この地域の農業・畜産・水産でのEMの利用拡大に貢献しました。そのおかげで、農家は農業技術センターで作る安定した品質のEMを手軽に買うことができます。

 

EMは安全で経済的で効果がある資材ということで、高敞郡の特産品であるスイカ、ポップンジャ(トックリイチゴ)、ブルーベリーの他、長魚やエビ養殖などの水産、畜産の農家にもEM活用が口コミで拡がりました。

この地域で今後もさらにEMの活用が拡がっていくと予想されます。

ウナギ養殖業者のユン社長

ウナギの養殖池は、ストレスを与えないように普段は暗く保たれています

韓国ではサンチュにウナギを包み、特製のタレをつけていただきます

牛舎の環境改善で 牛乳の品質向上に成功

概要

20年以上乳牛を飼育しているファン・スンスさんは、2012年からEMを活用しています。EMを使う前までは、牛舎の環境は悪臭がひどい状態でした。牛たちは自分たちの糞尿から発生するアンモニアガスによってストレスを受け、牛乳の品質も低かったと言います。牛乳の品質検査をする政府機関の職員から、EMを使うと一等級の牛乳になると勧められてEMを使い始めました。使ってみると、実際に牛乳の品質が高まりました。

EMの効果については、使い続けていくうちに、いつの間にか悪臭が消え、牛が病気にもあまりかからなくなったことに気がつきました。酪農家にとって牛の「乳房炎」が一番の心配事。乳房炎の牛乳が一滴でも混ざると、タンク全部の牛乳を廃棄しなければならないため、牛が病気にかからないことが何より大切です。

EMの活用

飼料2トンあたり約40リットルのEMを混ぜました。

また、牛舎内にEMを散布し、EMを使って発酵牛ふん堆肥を作りました。

効果と結果

EMを使い続けていくうちに、いつの間にか悪臭が消え、牛が病気にもあまりかからなくなったことに気がつきました。酪農家にとって牛の「乳房炎」が一番の心配事。乳房炎の牛乳が一滴でも混ざると、タンク全部の牛乳を廃棄しなければならないため、牛が病気にかからないことが何より大切です。牧場経営にとって、品質を高めて維持することが収益の増加と安定に繋がります。そのため、牛の健全な生活環境をいかに整えるかが鍵となります。

EMを活用した結果、病気の減少に加え、飼料の消化率も高まりました。EMで発酵した牛糞堆肥は無償で近隣の農家に提供されています。

このようにEMはスンス牧場にとって欠かせないものとなっています。

ファンさんは、牛だけでなく、自身の健康維持のためにもEMを活用しています

搾乳牛に餌を与える直前にEMを混ぜています

ここではEMの培養も行われています

<この記事はEM生活からの提供によるものです>

2022年12月20日 更新