EMを活用した自然農法を学べる研修センターがタイにあります。研修生は、自然豊かな環境で過ごしながら、農業、畜産、養殖におけるEMの使用と効果を身につけうることができます。
EMと自然農法を広めるためのワークショップ
1988に設立された、サラブリ救世自然農法センターは、タイの首都バンコクから120km離れた場所にあります。160ヘクタールの敷地で自然農法とEM技術を普及するための研修プログラムが開催されています。また、EM自然農法のモデル農場でもあります。
センターでは、自然農法の研究、教育、普及活動に力をいれています。また、APNAN(アジア太平洋自然農業ネットワーク)のワークショップや研修プログラムのために施設を提供しています。
サステイナブルできれいな環境を保ちながら、自然農法とEMを融合した農業技術を広め、人々の役に立ち、安全な食べ物を作ることが研修プログラムの目的です。サラブリセンターはAPNANやEMROと協働し国内外からゲストを受け入れています。プログラムに参加する研修生は、野菜や米の栽培、持続可能な農法、家畜、漁業、養殖、園芸、「足るを知る経済」について学びます。
サラブリセンターのおかげで、タイ国王の「足るを知る経済」プロジェクトを進めるたくさんの地域において、EMが採用されました。そして、センターはタイの陸軍や内務省、その他機関と協力することとなりました。(詳しくは、”タイ「足るを知る経済」にEM活用“へ)今日では、農業や環境における問題を解決するため、農村にある学校の多くでEMが農業教育に取り入れられています。
希釈したEM活性液を撒き、善玉菌の働きを促進
モデル農場は面積が60ヘクタール程度、農業、事務員、機械工、コックなどスタッフ総勢90名が働いています。
農園の高台では、米、トウモロコシ、カボチャ、パイナップル、ゴーヤー、へチマ、なす、唐辛子、オクラ、トマト、メロン、スイカ、キュウリ、キャベツ、朝顔、サツマイモ、セロリ、ホウレンソウ、玉ねぎ、白菜、ケール、レタス、ニンジン、大根など様々な農作物が栽培されています。
果樹園では、マンゴー、パパイヤ、ジャックフルーツ、グアバ、スターフルーツ、カスタードアップル、パームやし、アボカド、タマリンドなどがたわわに実っています。
種まきや植え付けの前にEMボカシを撒き、マルチを施し、希釈したEM活性液を撒きます。
さらに、EM青草発酵液を毎週、EM・5(ストチュー)を3日ごとに撒き、植物を害虫や病気から守っています。
サラブリセンターでは、収穫した後の残渣をリサイクルして堆肥を作り、また土壌に返して豊かにしする循環システムを確立しています。産卵鶏や豚も、細かくした野菜にEMボカシと活性液を混ぜたものを食べています。
もともと、この農場の土壌は農業にむいていませんでしたが、EMを何年も使い続けることでいい土に育ち、今日では野菜や果物を何種類も育てています。
土壌の質の向上には、三つの重要なポイントがあるといわれています。
●水はけ
●土壌腐植質の形成
●表土のマルチ
EMが土壌と環境の生物多様性を促進することにより、農場ではこの三つを改善することができました。ワークショップ中、参加者は土壌の層で違いを見ることができます。底層はもともとの土壌、上層はEMで質がよくなった土。一目で違いがわかります。上層の土はふかふか柔らかく、水はけがよく、下層は固く水はけが悪いです。
下層はもともとの土壌、上層はEMによって改善した土
上層の土はふかふかで水はけもよい
農場内に、EMボカシとEM団子を作る場所があります。
ワークショップでは、参加者は米ぬか、鶏糞、EM・1、糖蜜、水を混ぜてEMボカシを作ります。農場のスタッフはこのボカシを土と混ぜてEM団子を作り、なまずの養殖池に投入します。
EMボカシの作り方を学ぶ研修生
EM団子は池の水質浄化に使われる
製造場での研修生たち
農場には生ゴミリサイクル場もあります。収穫後の植物の葉や茎などを細かく刻み、機械で混ぜ、 プラスチックタンクに入れてEMボカシとEM活性液で発酵させます。
プラスチックタンクには、たまった液肥を排出する蛇口があり、液肥もまた農場で使われます。1~2週間後、発酵した固形物は堆肥づくり、または土壌のために使います。
収穫残渣は細かく刻まれ、タンクで発酵
収穫残渣をEMボカシと混ぜる
EM発酵のエサを食べて健康な鶏
鶏にエサをやる研修生たち
菌糸を育てるための基質を作る学生たち
菌糸が育っている
2017年2月17日 更新