今回はDND 11回から、グアテマラにおけるEM技術を活用した都市汚染の浄化の成功事例をご紹介します。
この危機的状況に対し、2007年からEM技術を導入したところ、わずか9ヶ月で湖の水質が劇的に改善しました。
都市からの排水を複数の大型ラグーンに導き、そこで段階的にEMで処理するという方法を採用し、その結果、水は4~5日の滞留で水道水レベルにまで浄化されました。
従来の処理方法と比較して費用も10分の1以下に抑えられ、このプロジェクトは「日本の微生物技術でアマテトラン湖が綺麗になった」として現地メディアで大きく報じられ、比嘉教授同席の下環境省での記者会見も実施されました。
2007年当時はSDGsという国際的枠組みはまだ存在していませんでしたが、このグアテマラにおけるEMによる水質浄化の取り組みは、現代の「持続可能性」や「SDGs」の理念を先取りした先進的実践例といえます。持続可能な浄化技術のモデルケースとして、今日でも大きな意義を持っています。
自然由来で無害の微生物からなるEMは、汚染物質を効率的に分解し、有害物質を有用な栄養素へと転換します。これによりプランクトンをはじめとした水生生態系の基盤が強化され、自然の浄化プロセスが活性化します。シンプルかつ低コストで導入でき、化学処理のような二次的な環境負荷もないことから、発展途上国を含む多くの地域で実践可能な水質浄化策として、現在も世界的に注目されています。
「EMは自然界のあらゆる有機物を発酵分解します。またEMの中の光合成細菌はメタンや硫化水素、アンモニア等を基質(エサ)にして、アミノ酸や糖類を作ります。それらの成分は動植物プランクトンのエサになり食物連鎖の最も重要な底辺部分を強化し健全化する力となります。逆説的に言えば汚染の分だけ魚貝類が多く取れることになります。」 DND第11回 「グアテマラのEMによる都市汚染の浄化」平成21年
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2025年5月21日 更新